ピティナ音楽研究所 研究経過報告会(2024年度)
ピティナ音楽研究所(PRIM)第3回目の活動報告会を実施します。
2022年4月に発足したPRIMには上級研究員1名、研究員1名、協力研究員2名、専門研究員1名の計5名の研究員が所属しています。音楽研究所では音楽と音楽教育に関わる様々なテーマを扱います。今回実施するイベントでは、研究所の運営報告と、所属研究員による成果および経過の発表を予定しています。研究内容あるいは研究所の活動全体に関するご質問を受ける時間も設けます。
ぜひ、音楽を研究する世界を覗いてみませんか。
日時 | 2025年3月20日(木・祝)14:00~(17:00終了予定) |
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会場 | ピティナ本部事務局内 東音ホール (JR山手線・都営三田線 巣鴨駅 より徒歩1分) |
受講料 | 無料(50名限定) |






発表者がソルボンヌ大学で執筆し、2016年に審査された博士論文は、19世紀前半から半ばにかけて活躍したパリ音楽院ピアノ教授ジョゼフ・ヅィメルマンを主題とする初めての研究でした。この10年余りの間、新たに見出されたさまざまな資料を基に論文を加筆・推敲しながら、CNRS(フランス国立科学研究センター)の名誉研究ディレクターであるフロランス・ジェトロー氏、およびソルボンヌ大学教授ジャン=ピエール・バルトリ氏の助言を受けつつ、原稿の編集を続けてきました。今年度は草稿の仕上げを目指し、フランス語の本文と付録を整理しました。本発表では、全14章からなる草稿の構成を示した上で、ヅィメルマンがパリ楽壇で果たした多面的な役割(ピアニスト、作曲家、教育者、社交人、芸術家相互扶助活動)を紹介し、彼の19世紀ピアノ音楽文化における意義を明らかにします。

- 中村氏は昨年12月着任のため、本発表は,約3か月間の研究活動の報告となります。

カール・チェルニーは現在エチュードの作曲家として認知されているが、即興演奏の教本を出版していることは一般的に知られていない。本発表では、チェルニーの『ピアノで弾くファンタジーへの体系的手引き』([1829])を取り上げ、彼の即興メソッドに見る「前時代からの伝統」を考察してゆく。加えて、特に既存の楽曲の前に演奏する前奏曲に焦点を当て、それらを現代のピアノ演奏実践に応用する可能性について、デモンストレーションを交えながら考えてゆきたい。

音楽の高等教育機関(以下、音楽大学)が現代日本において教育的、社会的にいかなる機能をもつかを検討するために、今年度は主に卒業生、現役学生および現役教員へのインタビュー調査をおこない、その一つを研究論文としてまとめた。本報告では、こうした研究活動を通して得られた知見について、学生の職業音楽家ディスポジションの形成・変容過程と、そこに作用する「教員-学生」関係を視点に発表し、今後の展望について述べる。

ピティナ音楽研究所の研究員としてGoogle ScholarのTop Publicationsで1位ランクのISMIRで論文を発表した様子を報告する。
情報学研究データリポジトリでデータセットを公開していただくことになった。どのようなデータを提供予定なのか計画を紹介する。