ピティナ音楽研究所

元PRIM協力研究員・高橋舞氏がポスター発表選奨を受賞

高橋舞氏
高橋舞氏

2022-2023年度にかけて協力研究員として所属していた高橋舞氏(現・研究会員)が、2025年6月15日(日)に豊橋技術科学大学で開催された日本音楽知覚認知学会2025年度春季研究発表会にて、ポスター発表選奨を受賞しました。
現研究員の中村栄太氏も、共著者として参加しています。

発表テーマ:「ピアニストの楽譜への規範意識と演奏における演奏様式の関係」
著者:高橋 舞氏・小林 未知数氏・中村 栄太氏・大向 一輝氏

研究内容

10 代から 70 代までの国内外で活躍しているピアニスト 100人(6月現在継続中)に、MIDI ピアノでバッハの《平均律クラヴィーア曲集》第1巻第1番ハ長調BWV846より前奏曲とショパンのワルツ嬰ハ短調 Op. 64-2の2作品の演奏を依頼し、得られた MIDIデータを用いて、年代による演奏様式の変化について分析しています。並行して同じピアニストの方々に、学習歴、影響を受けた指導、楽譜の読み方とその基盤となるもの等に対する半構造化インタビューを実施し、演奏者の持つ演奏に対する考えと演奏様式との関係性を研究しています。

今回のポスター発表の内容

10代から70代のピアニスト68人によるバッハとショパンの2作品のMIDIデータから、年代によって演奏様式が変化することを明らかにしました。またピアニストに対して、どれくらい楽譜の記載事項に忠実に演奏しようとしているか、つまり楽譜に対する規範意識に関する半構造化インタビューを実施し、規範意識は年代による変化はなく、ピアニストが持つ規範意識と演奏様式には若干の関連性があることが分かりました。

受賞理由

「技術レベルの高い様々な年齢の多数のピアニストを対象に調査とインタビューを行い、演奏内容と演奏者の意識との関連性について検討するという、意欲的で興味深い貴重な研究」との評価をいただきました。

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